キャンバス

「例えば真っ白なキャンバスが自分だとしてそこに何も書かれてなかったら味気ないし、地味だし、嫌だなぁって思うの。」

 

あたしの憧れは極彩色だ!!

鮮やかなかっこいい色彩で居たいのだ。

 

だけど誰かに言われたの。

「あなたは真っ白で無垢だね!!」って。

 

あたしはその言葉が吐きそうなくらい嫌いで悲しかった。

味気なくて、地味で、鈍臭そうじゃん。

 

だからかな。

その白さを失くすように濃い色を重ねては下地なんて忘れるくらい消そうとした。

 

そして真っ白で無垢なものたちをみて

「ダッセェェェェ」

って嘲笑ったり、

 

他の色にも

汚ねぇとかめっちゃ綺麗とか言っていた。

 

 

いつの間にかあたしは極彩色になれていた。

でも、、極彩色になれた!!のに

何故かすごく不安だった。

 

あるときに自然な色の人と一緒にいた時に

ポロポロと塗り固めたものが剥がれてきて恥ずかしかった。

悲しかった。

 

わたしは極彩色で居られないことを知り

元の無垢な真っ白さが自然だと知った。

 

ただ

元の無垢な真っ白さ

周りと比べて地味で、味気なくて、鈍臭くて…………。

 

今までバカにしたり嘲笑ってきたものに

自分がなるのはとても恥ずかしいことだ。

 

恥ずかしい。恥ずかしい。

カッコつけたいし、マセていたい!!

大人ぶりたい!!できる人!!頭いい奴!!すげぇ奴ぶりてぇぇ!!!

 

なりたくてぶりたくて!

 

 

でもでも。

今言うの。

 

嘲笑ってごめんなさい。

見下してごめんなさい。

あなたにいいたい。

そしてわたしにも。