2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「何かがわかるから。」誰かの教えで神社の賽銭箱に一万円を入れた。入れる前まではソワソワしていたはずの心は賽銭箱にスルリと落ちていく一万円を見ていたら消えていた。あっけなく終わっていた。神社の帰り道をトボトボ歩いてるとふとわかったことがあっ…

身勝手

「涙と共に私を苦しめるモノへの怒りや憎しみも流れ出てしまえばいいのに!」床に突っ伏したまま泣いて大きな水たまりを頬に擦り付けていた。涙って勝手だ。感情が高ぶって何に悲しんでいるのかさえわからないはずなのに目から滲み出てくる。それでいて苦し…

見えない星

彼女はいつも寂しい瞳をしていた。「おはよう!!」と声をかけると「おはようございます」と丁寧に返事を返してくれる礼儀正しくてかっこいい子だった。 華奢で線が細くて顔もカッコよくて小さなお店で一緒に働くスタッフだった。お客のいない暇な時間はいつ…