「何かがわかるから。」

誰かの教えで神社の賽銭箱に一万円を入れた。
入れる前まではソワソワしていたはずの心は賽銭箱にスルリと落ちていく一万円を見ていたら消えていた。

あっけなく終わっていた。

神社の帰り道をトボトボ歩いてると
ふとわかったことがあった。

賽銭箱に一万円を入れるまで
私は何かを得られるという期待感と
損をしてしまう苦しみに傷つけられていた。

しかし賽銭箱に一万円を入れた瞬間私は想像していた期待感も苦しみもなかったことに気がついたのだ。

今まで私は想像して傷つけていたことを知った。

希望も不幸も私を傷つける道具でしかなかったのではないだろうか?

不幸を纏うことで自分を責め
地に足が着いていない希望と現実を天秤にかけ傾いた落差に心を痛め
私は生きている痛みを感じていた。

想像しなければ……無駄に痛まない!?