押し殺しす

「本性を圧し殺すこと。」
それは楽なように思えるが、

東京に上京した21歳冬にオカマBARで働き始め、晴れてありのままの自分として歩み始めたはずの私。
それなのにどこの社会でも私は私らしくない感覚なのだ。
自分の思い描く理想と違っていることによって燻っていただけかもしれない。

しかし決定的に自分自身を圧し殺しているなと気づかされる言葉を他人に掛けられたのだった。

「可もなく不可もなく」
それは私がオカマBARで働き始めて1ヶ月経った頃に支配人に言われたことだった。
それを言われて妙に納得したのを覚えている。

私は波風を立てるのが嫌いだ。
そして争いごとが嫌いなのだ。

だからある時から
暗黙のYESマンなのだ。
 YESと言ってもいないのに相手のなすがままにYESになり立ち振る舞うのだ。

周りを見ると
売れている先輩とどん底の売れていない先輩の根底は同じように感じられ紙一重なのではないかと思った。
なぜなら恐れを知らず、大胆で、自分を主張する人達がトップであり最下位のドベであったから。

だから支配人も可もなく不可もない私に対し不可でも良いから自分らしさを築かせようとしていたのかもしれない。
そしてギャク的なのは私の源氏名なのである。
「ちと勢」
という源氏名の由来が
ちと(もっと)勢いを!!という意味で付けられたそうで初対面で見抜き指摘していた支配人の鋭さに驚かされた。

私は未だに圧し殺して生きている。
押し殺しすぎて爆発しそうだし、爆破したい衝動に駆られている└(゚ロ゚;)┘