身勝手

「涙と共に私を苦しめるモノへの怒りや憎しみも流れ出てしまえばいいのに!」

床に突っ伏したまま泣いて大きな水たまりを頬に擦り付けていた。
涙って勝手だ。
感情が高ぶって何に悲しんでいるのかさえわからないはずなのに目から滲み出てくる。それでいて苦しい。
ワケも分からず泣いて、ワケのわからない感情に苦しめられ、私の心は囚われの身だ。

あるいは、


田舎の各駅電車に揺られて気がつくと尿意を催し、おしっこに行きたいがトイレが設置されてなくて、一旦降りてしようかと考えたが次の電車が来るまで30分も待つのは嫌だ…。で膀胱の痛みを我慢してる時にこうも思った。
「こんな苦しみに耐えて、耐えて、溜めて、出したときに悲しみ苦しみ全て出てしまえ!!」
尿意も勝手だ!!

私の思い通りになんて操れない。
私の身体なはずなのに。

そして勝手に流れる水分を身体から出す時、私は体内の毒素が一緒に出て行くことを想像している。
そんな私も勝手だ。