過去の背中を見つめる

3/22に倉敷の街を散策した。
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どうせなら誰かと話せたらいいなという軽い気持ちから前日に掲示板(ゲイ)でお喋り相手を募集していた。

それで来たのが隣県に住む彼だった。
彼は私と同い年の学生で
第一印象はメガネで真面目な人。
早速、彼と倉敷の街を散策し始めた。

歩き始めて彼がこちらに気を使って くれているのか
一方的に話をしてくれている。
だが、会話をリードしてくれてるというよりかは自分の身の上話ばかりだ。
それは段々とエスカレートしていき

留年した落ちこぼれ者である。
周りから見下されていて恥ずかし者。
精神的に病んでいて頭がおかしい。
自傷行為してて。  

という話をしてきた。
歩き始めて間もなくで
こんな話になるのはなんでなのか(笑
)と思いつつ
この黒々としたネガティヴオーラを纏った彼から今すぐ離れたい私がいた。

それからの私は話を聞く振りをしながら写真を撮りまくっていた。
そうしていないと気が変になりそうなくらいエネルギーを奪われる感覚があった。
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途中、私は彼に
「あそこの風景とかキレイだよ。写真とか撮らないの??」
と何気なく聞いたら

「僕は僕のタイミングで撮るんだ!
僕の価値観があるでしょう。
僕が撮りたくなったら撮るよ。」

という返事に
まぁそうなんだけど
その価値観の区別にイライラした。

この男と出会ってものの20分程で嫌いになった。
私が誘っておいて、すぐに嫌いたがらさよならして欲しいと彼に言えるほどの勇気は私にはなかった。
だから早い所食事をし食事が終わったらさよならすることにした。

お店を適当に選んで
食事をした。
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食事中にやたらと
ありがとう!!ありがとう!!
と言われた。

言われて嬉しい言葉なはずなのに
その日は全てイライラに変わった。

食事が終わりお店を出て数歩あるいて
私は彼に意を決して告げた。


「ごめんだけど、ここで別れてくれる?」
と言うと
私の言葉を受けて動揺したのか彼は目を泳がした後、
「うん。今日はありがとう。それじゃあまた」
とあっさりと別れを了承し別れの言葉をくれた。

私はそれじゃあと言い渡すと
彼を取り残し歩き出す。
ちょっと歩いて彼と同じ方向を歩いてると気まずいと思い振り返り確認すると、
反対方向を歩いてゆく彼の背中が遠くに見えた。
その背中を見つめふと思った。

「私もあぁだったよなぁ。」

私が好意を持ち近寄った男達。
つまんない奴と思われたくなかったし、
何よりいい関係を築きたかった。

けど
こちらが話せば話すほど
なぜか全然盛り上がらなくて
沈黙を逃れるように
話した内容はどれも笑いと取れる自虐的な話しを通り越した苦痛の叫び。
最終的には相手に早々と時間を切り上げられさよならしたんだ。
その後、連絡しても返事がくることもなかった。


今私はあの男達と同じ目線で
過去の私の背中を見つめていた。


彼が視界から消えて
私は1人で気を取り直し
散策をした。

散策途中にベンチで一息付いているときに
ふと携帯を見ると
「今日はありがとう(^_^)
色々と散策して美味しいもの食べれて楽しかった。
~さんも身体を気をつけて頑張ってください。
それじゃあまた会いましょう」
と彼からメールが来ていた。

私は開いたメールを速攻ゴミ箱に捨てた。

おわり。